先ずはベスト16入りを懸けた2試合。先に午後3時のプレーボールで口火を切ったのが、「相模ランバーズ vs ダディーズベースボール」の一戦。戦いの先攻は、2部リーグワイルドカード争いで崖っぷちに立たされながらも奇跡の決勝トーナメント進出を決めるなど運も味方につけている相模ランバーズ。それだけに格上相手となったこのサマーカップでも奇跡の大番狂わせを狙う。対する後攻は、先に争われた春決戦で4強入りを果たした59'sを下し、この2回戦へと勝ち上がってきたダディーズベースボール。1部リーグでも激戦を極めたDブロックを首位で突破するなど、絶好調の今季こそ初タイトル奪取を目論む。そんな両者が相見えたゲームは2回裏、ダディーズ打線が先頭篠宮の放った3ベースヒットでチャンスを作ると、原の犠牲フライで先制に成功し試合を動かす。するとそのダディーズ打線は終盤5回裏、先制点を齎した篠宮、原の2人が連続スクイズエンドランを決め2点を加えれば、続く6回裏にも小林、押田の連続タイムリーで3点を追加し圧倒。投げても先発長谷川が相模ランバーズ打線を僅か1安打に抑えての完封勝利を飾るなど投打の噛み合ったダディーズベースボールが、見事3回戦へとコマを進めた。一方、強敵相手に成す術無く敗れた相模ランバーズだが、この敗北を糧に2部リーグで悲願のファイナル出場を目指す。
続くバトルは、八王子市民球場を舞台にナイターゲームで行われた「はちみつハニー vs ギャンブラーズクラブ」の対決。ホームのはちみつハニーは、昨年の同大会で初出場ながらベスト16進出を果たしているだけに、参戦2年目となる今大会では更なる躍進目指す。対するは、初参戦のギャンブラーズクラブ。1回戦は相模原の雄・相模KOT'Sを逆転で下し、この2回戦へとコマを進めてきた注目のニューカマーだ。そんな両者が激突したゲームは0対0で迎えた3回、1、2回で上々の立ち上がりを披露したはちみつハニーの先発冨塚をギャンブラーズクラブ打線が捉まえる。2つのエラーに四球というラッキーな形で満塁のチャンスを作り出すと、ここで迎えた3番荒木が初回に続きこの日2本目となる2ベースヒットを放ち一挙3点を先制。更に続く4回にも再び満塁のチャンスを作り出すと、相手エラーによる2点に加え、川井のタイムリー3ベースヒットでも2点を追加し7対0。また、守っても先発荒木からリリーフ谷口への継投ではちみつハニー打線を散発の4安打で完封したギャンブラーズクラブが、見事16強に名を連ねた。一方、1部リーグで決勝ラウンド進出を逃した悔しさを晴らすべくこのサマーカップに全てを懸け挑んだはちみつハニーだったが、最後まで良い所無く完敗といった内容。特に守備面では計6失策とミスが目立ち、今季の最終戦は多くの課題が残る一戦となってしまった。
その「RED SOX vs Revival」の一戦以上に激闘となったのが、埼玉を代表する若き雄同士のマッチアップとなった「BOOOOON vs 大宮フェニックス」のバトルである。戦いの先攻は、予選Eブロックを5勝1敗の首位で突破してきたBOOOOON。黒星スタートから一転、怒濤の5連勝を飾り波に乗る若武者が、2014シーズンに2部リーグを制し昇格してから僅か2年という早さでの最高峰制覇に挑む。対する後攻は、まさかの予選敗退と思いきやワイルドカード枠によって復活を果たした大宮フェニックス。敗者復活での決勝トーナメント進出とは言え、予選リーグ4勝2敗という成績は勿論、彼らの実力は折り紙付きである。そんな両雄の対決は、終始BOOOOON優勢で推移した。初回から3番藤原のスクイズエンドラン成功で幸先良く1点を先制すると、3回にも大宮フェニックスのバッテリーエラーで1点を追加。更には、迎えた7回表にも加藤の犠飛で1点を奪い、3対0と盤石の試合運びを披露する。だがしかし、既に勝負ありかと思われたゲームは最終7回裏、ここへ来てようやく大宮フェニックス打線がノーアウト満塁のビッグチャンスを演出すると、途中出場の猪岡が放った2点タイムリーに4番森山の押し出し死球でも1点を加え、土壇場でゲームを振り出しに戻す。すると、時間切れによりジャンケン決着へと委ねられたゲームは、最後の最後で執念を見せ流れを引き寄せた大宮フェニックスに勝利の女神が微笑む形となり、大逆転での準々決勝進出となった。一方、勝利目前からまさかの逆転負けを喫し、実に痛い敗戦となってしまったBOOOOON。それでも今季の彼らが見せた戦いぶりは見事の一言であり、この最高峰リーグ制覇も決して遠い話しではない事を証明したシーズンだったと言えるのではないだろうか。
いよいよ決勝ラウンドの争いが幕を明け、この日2試合が行われた2部リーグ。
先ずは、予選リーグ2位同士の対決となった「Rossowave vs Bloopers」のバトル。戦いの先攻となったRossowaveと言えば、今季のトーナメント大会で目覚ましい活躍を見せ一躍注目を浴びた若武者。そんな彼らが初出場となったこの決勝トーナメントでも旋風を巻き起こすかには自と注目が集まる。対する後攻は、昨年初参戦ながら決勝トーナメント進出を果たすも、結果は1回戦敗退と奮わなかっただけに今季はそのリベンジに燃えるBloopers。先ずは鬼門となるこの1回戦を突破し、勢いに乗りたい所だ。だがそのBloopersが抱いたリベンジへの熱き思いとは裏腹に、ゲームはRossowaveの一方的な展開となる。初回から5番岡本(直)の犠飛で1点を先制したRossowave打線は中盤4回表、四球とバントヒットで1アウト2、3塁のチャンスを作ると、迎えた1番土井がセンター前へと2点タイムリーを放ち3対0。更に打線は続く5回表にも内野安打、エラーに加え、自慢の機動力を絡めた攻撃でBloopersディフェンスを翻弄し、一挙3得点奪取でダメ押し。投げても先発のエース沖が、味方のエラーと自らの四球による出塁こ許したものの、終わってみれば5奪三振を含むノーヒットノーランピッチングでBloopers打線を完全シャットアウト。この日も走・攻・守全てにおいて機能したRossowaveが6対0のスコアで勝利を手にし、準々決勝へとコマを進めた。一方、好投手沖の前に手も足も出ず敗れたBloopers。又しても初戦の壁に阻まれ、悔し涙を拭う結果となってしまった。
続く一戦は、昨年の決勝トーナメント1回戦を再現するマッチアップとなった「ガンジーズ vs ジャピン」。前回の対戦では13対3と6回コールドゲームでガンジーズが圧倒しているだけに、バトルの構図としてはやはり、ガンジーズ強力打線対ジャピンディフェンス陣の争いとなる。そんな戦前の予想で始まったゲームだが、先制点を奪ったのはジャピンだった。初回にヒット、盗塁でチャンスを作ると、内野ゴロの間に1点を奪い先手を取る。しかしそれも束の間、先制点を奪われた事で火のついたガンジーズ打線が直後の2回、6番山田のソロHRで反撃の狼煙を上げると、9番八木のタイムリーに4番西島の3ランHR等で一挙7点を奪い逆転。更にその後も攻撃の手を緩めない打線は、2番新垣のソロHRに4番西島の2打席連続弾で点差を広げると、最後は3番安里が10点差をつける止めのタイムリーを放ち5回コールド。まさに、結果も前回の再現かのようになったバトルは、計4HRを放つなど打線が大爆発したガンジーズに軍配。昨年はあと一歩の所でファイナル進出を逃しているだけに、リベンジを誓う今シーズンはここまで圧倒的な力を誇示しており、悲願達成へ一切の死角は見当たらない。一方、又してもガンジーズの前に苦汁を舐める結果となってしまったジャピンだが、この悔しさを再度胸に刻み込み、必ずや来季の奮起へと繋げてもらいたい。