TOP > 今週のVictoria(2016年) > 「サマーでは6チームが16強入り!予選リーグ順位決定戦は又しても雨に泣く!!」
不安定な空模様の中、各地で2回戦の6試合が繰り広げられたサマーカップ。それぞれベスト16入りを懸けた試合とあって僅差の好ゲームが連発した。
その中で、埼玉県さいたま市の大宮健保グランドを舞台に行われた4試合は歴代の王者、ファイナリストに加え、先のスプリングカップでファイナリストの座を射止めている2チームが登場するなど注目カードが目白押しとなった。

先ずは、ディフェンディングチャンピオンとして史上2チーム目の連覇に挑むWILL BASEBALL CLUBと、2014シーズンの2部制覇から早2年、今季は最高峰リーグでもポテンシャルの高さを証明するなど、今や優勝候補の一角を担う存在にまで成長を遂げた若手のホープBOOOOONの一戦。昨年の覇者を倒し、更にその名を知らしめたいBOOOOONだったが、ゲームはスタート直後から王者が力の差を見せつける。1回裏、1番海老井の2ベースヒットと犠打で1アウト3塁の形を作ると、このチャンスに迎えた3番木田がきっちりとタイムリーを放ち難なく1点を先制する。一方、早くも追いかける立場となったBOOOOONはというと、WILL先発のエース樋口の前に手も足も出ず、5回まで僅か1安打と反撃の糸口すら見出せない。すると5回裏、そんなBOOOOONを尻目にWILL打線が死球、ヒット等で1アウト2、3塁のチャンスを作り出すと、4番政の犠飛に続く5番三井のタイムリーで2点を追加し勝負あり。BOOOOONも直後の6回表にようやく1点を返し一矢報いるが反撃もここまで。チャンスを確実にモノにした攻撃陣に加え、今季前半戦は課題の残るピッチングの続いていた樋口がここへきて文句無しの力投を披露するなど、見事に投打の噛み合ったWILL BASEBALL CLUBが若武者の挑戦を撥ね除け、また一歩連覇に向かって前進した。

続いては、スプリングカップ2015大会を始め、サマーカップ2015、スプリングカップ2016と3大会連続でトーナメントマッチの決勝に進出するなど圧倒的な存在感を示し続けているMKY88が登場。無論、今大会でもファイナル進出を見据え、2年連続となる春夏決勝進出を果たしてのダブルリベンジを目論む。そのMKY88が迎え撃つは、今季の最高峰リーグ、スプリングカップで接戦を強いられるなど、今シーズンだけでも3度目の対戦となる難敵GOLGO BASEBALL CLUB。その彼らは昨年、悲願の2部リーグ制覇を成し遂げた事で今季から最高峰リーグに挑むも、あと一歩の所で決勝トーナメント進出を逃しただけに、このサマーカップには全てを懸けて挑む覚悟だ。そんな手の内を知った者同士の対決は、文字通り熾烈を極めた。ゲームは0対0で迎えた3回表、2アウトから2番池田の放ったヒットを皮切りに5番江見まで怒濤の4連打を披露したGOLGO打線が一挙3点を奪い主導権を握る。だが、3対0のまま迎えた終盤、ここで負ける訳にはいかないMKY88打線が6回裏に2番倉田のタイムリーで1点を返すと、続く最終7回裏には1アウト満塁から1番増田のタイムリー内野安打に押し出し死球で2点を奪い、土壇場も土壇場でゲームを振り出しに戻す。すると、一気に流れを掴んだMKY88打線はサドンデス戦へと突入し迎えた8回表、GOLGO B.Cの攻撃をエース高橋が渾身のピッチングで無得点に抑えると、その裏3番越間が鮮やかにセンターオーバーとなるサヨナラ打を放ち決着。先手を取られたものの、ゲーム終盤にここぞの底力を見せつけ流れを引き寄せたMKY88が奇跡の大逆転劇を演じ、見事3回戦へとコマを進めた。一方、惜しくも勝利を逃してしまったGOLGO B.C。この敗北で今季はリーグ、トーナメントマッチ共に悔しい結果に終わってしまったが、開幕からの5ヶ月間で味わった試練は、必ずや来季の飛躍へと繋がる貴重な経験となったに違いない。

続いての一戦も、今季のスプリングカップファイナリストに決定しているTABOOが、虎視眈々と下剋上を狙う3部リーグ所属の豪球会を迎えてのバトルで、ゲームはこれまた延長戦にまで縺れ込む激闘となった。共に無得点のまま回を重ねていったゲームが動いたのは3回表、TABOO打線が夏目のタイムリー2ベースヒットに相手ディフェンスの送球エラーで2点を先制すると、その後1番綿引にソロHRが飛び出すなど計3点を先取し優位に立つ。だが終盤、反撃に出た豪球会が四球と連打で一気に同点とし、ゲームはそのままサドンデス戦へと突入した。そんな豪球会の押せ押せムードで始まった延長戦の争いだったが、先攻のTABOOが1点を奪い取ったのに対し、その裏の豪球会は無得点に終わりゲームセット。一度は追いつかれたものの、勝負所で自力の差を見せつけたTABOOが接戦を勝ち切り、見事16強入りを果たした。一方、敗れはしたものの、あと一歩の所まで強豪を追い詰めた豪球会。結果、番狂わせとはいかなかったが、この日見せた戦いぶりと言うのは、これから始まる3部リーグ決勝トーナメント戦での躍進を大いに期待させるものであった。

大宮健保グランドを戦いの舞台とした残る一戦は、一昨年の3部リーグ準優勝チームであるNTスコーピオンズと、今季の3部リーグで予選を無傷の6連勝で勝ち上がるなど優勝候補の筆頭に名を連ねるCRNのマッチアップ。そんな両者のバトルもまた1点を争う手に汗握る展開となり、ゲームはNTスコーピオンズ延島、CRN上田の両先発投手による壮絶な投げ合いに加え、互いのディフェンス陣も好プレーで応えるなどして6回まで0行進となる。だがそんな緊迫の好ゲームも迎えた最終回、遂に勝負が決した。7回表も延島がCRN打線を無得点に抑えたNTスコーピオンズがその裏、この回も簡単に2アウトを取られ延長戦を覚悟した矢先、そこから4番延島、5番斉藤の連打とエラーで満塁にまでチャンスを広げると、ここで迎えた7番北澤が初球をレフト前へと運ぶ値千金のサヨナラ打を放ち劇的な幕切れ。両者が演じた死闘は最後の最後で明暗が分かれ、NTスコーピオンズに軍配が上がった。

その一方、他球場を舞台に行われた2試合は先ず、4年振りに真夏決戦のステージへと還ってきたBig☆Bと、初参戦となった昨年のスプリングカップで次々と強豪を薙ぎ倒してベスト4入りを果たすなど鮮烈なデビューを飾り、更に今大会初戦でも過去に唯一連覇を成し遂げているRED SOXを撃破するなど強豪狩りの異名を持つMinorsの対決。共に今季は今大会のみの参戦とあって、ワンチャンスでの頂点奪取を目指す。そんな両雄が相見える事となった一戦は、初回から4番東のタイムリーで1点を先制したBig☆Bが3回にも5番矢沢のタイムリー2ベースヒットで1点を追加しリードを広げると、守ってもMinors打線に一切の反撃を許さず、そのまま完封勝利。千葉の雄としてその名を轟かせるBig☆Bが、Victoriaの初タイトル奪取へと着実に歩みを進める。

残る最後の一戦は、東京都足立区の東綾瀬公園を舞台にナイターゲームで行われた強豪同士の激突。先攻は、スプリングカップ2014大会以来のタイトル獲得に燃える大宮フェニックス。対する後攻のUNITED Aは、今季のスプリングカップでまさかの初戦敗退と屈辱を味わっただけに、このサマーカップは何が何でもの思いで挑む。だが、そんなUNITED Aが描いた大躍進へのプロローグを阻むかのように、ゲーム展開は終始大宮フェニックスペース。初回に4番大谷のタイムリーで幸先良く1点を先制した大宮フェニックス打線は、続く2回にも7番猪岡、1番橋本(優)、2番永野のタイムリーなどで一挙4点を追加。更に攻撃の手を緩めない打線は、4回に1番橋本(優)がこの日4打点目となる2点タイムリーを放ち突き放すと、6回にも内野ゴロの間に1点を奪いダメ押し。また、投げては先発の猪岡が5回を被安打2の2塁すら踏ませないピッチングを披露すれば、6回からマウンドに上がった2番手永野も最終回にこそ1点を失ったものの、最少失点に止める上々の内容。まさに投打で隙の無い野球を見せつけた大宮フェニックスが8対1のスコアで勝利を収め、ベスト16進出を決めた。
             2015年王者 WILL BASEBALL CLUB
             先制打を放ったWILL 木田選手
             サヨナラ打を放ったMKY88 越間選手
             HRを放ったTABOO 綿引選手
             サヨナラ打を放ったNT 北澤選手
             16強入りを果たした Big☆B
             4打点の活躍を見せた大宮 橋本(優)選手
             サマーカップ2016 トーナメント表
この日も全リーグに先立って決勝トーナメント1回戦の2試合が繰り広げられた4部リーグ。また、この日行われた2カード共に圧倒的なパフォーマンスで予選を勝ち上がってきた2強が登場するなど、何れも注目のバトルとなった。

その1つ目の戦いは、リーグ最多となる36得点を叩き出すなど、唯一全勝で予選を駆け抜けたVICCESSと、Victoria初参戦ながら攻守で見せる堅実な野球でAブロック2位通過を果たした雪崩式の一戦。そのゲームは初回、VICCESSが平山のタイムリーで1点を先制するも、2回に雪崩式も負けじとタイムリーで1点を取り返し、序盤から一進一退の展開となる。だが同点で迎えた3回裏、VICCESS打線が永田のタイムリーなどで2点を奪い再び先行すると、5回表に1点を返され詰め寄られるも、その裏すぐさま大山のタイムリー2ベースヒットでダメ押しの1点を追加し勝負あり。今季負け知らずの絶好調VICCESSがこの日も終始ゲームを支配し、チーム結成6年目での初タイトル奪取へあと2勝と迫った。

続くもう1試合は新星同士の対戦。先攻は、予選リーグの戦いでリーグ2位となる31得点を記録した攻撃陣に加え、ディフェンス陣も同じくリーグ2位となる8失点と、まさに投打のバランスがとれたアスリーツ。対する後攻のCosmopiaはというと、予選リーグで2つの不戦勝がある事からその実力は未知数ではあるが、強敵相手に金星を狙う。そんな両者が対峙したゲームは立ち上がり、アスリーツが太田のHRで先制すれば、Cosmopiaも加賀美の一発ですぐさま反撃し、序盤は一歩も譲らぬ展開となった。しかし迎えた3回表、無死満塁のチャンスを作り出したアスリーツが相手セカンドのエラーによる得点に加え、島村、太田の連続HRなどでこの回一挙9得点を奪い大きくリードを広げると、その後も得点を積み重ね終わってみれば計16得点の大暴れ。守ってもCosmopiaの反撃を1点に止めたアスリーツが攻守で実力を発揮し、危なげなく準決勝進出を決めた。
             タイムリーを放ったVICCESS 永田選手
             圧勝で1回戦突破を果たした アスリーツ
過去の「今週のVictoria」はこちら→バックナンバー