TEAM	1	2	3	4	5	6	7	R
P'z	2	0	3	1	0	‐	‐	6
Chuyans	0	2	0	1	1	‐	‐	4

9月29日、この日多くの人で賑わう東京都練馬区の光が丘公園野球場を舞台に行われた一戦は、P'z 対 Chuyansの決勝トーナメント1回戦である。 共に目指すは“優勝”と大いなる目標を掲げ、熾烈なリーグ戦を勝ち上がって来た両者。 その熱きバトルの先攻はP'z。Victoria初参戦にして虎視眈々と頂点の座を狙うチームは、抜群のチームワークを作り上げ、予選リーグ1位通過を果たした。それ故ゲーム前の佐々木代表の言葉にも「いつも通りやるだけですね」と自信が伺え、今大会好調な攻撃陣に加え、先発はエースの澤出とあって今日のP'zに死角はない。 対する後攻のChuyansは予選リーグを4勝3敗の3位通過。若きチーム故まだまだ調子の浮き沈みはあるものの、波に乗った時の爆発力には魅力があり、それを発揮出来るかが今日の戦いを制する最大のポイント。いよいよ始まった決勝トーナメント戦を前に少し緊張気味のナインだが、先発マウンドに上がる代表の直井以下選手全員が、戦うごとに培った経験と自信を胸に予選3位からの下克上を目論む。 そんな両雄が相見える負けたら終わりの決戦。その火蓋は午後1時15分のプレーボールで切って落とされた。 1回表のP'z打線は、先頭のリードオフマン1番荒井（直）がエラーでの出塁に加え、盗塁でのチャンスメイクを果たすと、1アウトとなって3番荒井（一）。1ボール2ストライクからの4球目を打った当たりはピッチャーゴロになるもこの打球を処理した直井が1塁へ悪送球するミスを犯し、P'zにとってはノーヒットでのラッキーな先制点となった。 更に、この悪送球の間に一気に3塁まで落し入れた荒井（一）を置いて、4番澤出が動揺する直井からレフトへのタイムリーを放ち、2点目の奪取にも成功した。 初回から隙のない攻撃を披露し、幸先の良いスタートを切ったP'zだったが、その“隙”を反対に見せてしまいChuyans打線に捉えられてしまう。 2回裏、1アウトから7番大津に四球での出塁に2盗、3盗までも許してしまいチャンスを作られると、9番直井の打球を捕球したサードの本村が痛恨のミス。1塁への送球は間一髪セーフとなり1点を返される。更に今度はワイルドピッチのミスで再び得点圏にランナーを進めてしまうと、1番吉田にレフト前タイムリーを浴び同点に追いつかれた。 それでも直後の3回表、この失点が刺激になったのか改めて集中力を高めたP'z。 1アウトランナー無しで打席に入った2番本村が、「前の回、自分もミスからの失点に絡んでいたので何とかしたかった」と追い込まれるも4球目をフルスイング。その強い気持ちでジャストミートした一打はライトスタンド一直線のソロホームランとなり、再びのリードを奪う。 更にこの回、5番植野にも2ランホームランが飛び出し、完全に勢いを取り戻した打線は続く4回、先頭7番森田がインコースの難しい球を「体が反応しました」と見事な一発を放ち、本村、植野、森田の怒濤の3アーチで試合を決めにかかった。 そんな圧巻の力を見せつけられたChuyans。だがしかし、彼らの目は死んでいなかった。 直後の4回裏、ベンチから「まだまだいけるでしょ！」の声が聞こえてくると、7番大津のヒットをきっかけに突如制球の乱れた澤出から後続が3連続四球を選び、押し出しで1点を返す。 尚も続く無死満塁のチャンスだったが、ここから2番手としてマウンドに上がった植野の投球とこの回からセカンドに入った猪又のスーパープレーに阻まれ、追加点とはいかなかった。 しかし最終回、2つの四球から2アウト1、3塁のチャンスを作り出すと、ここで前の打席にセンター前ヒットを放っている7番大津が今度はピッチャー強襲のタイムリーを放ち6対4。 4回に続き、決死の追い上げを見せるChuyansは尚も続くチャンスにボルテージが最高潮になるが、最後は8番上井がショートゴロに打ち取られ万事休すとなった。 だが今季活躍を見せたルーキー達の最後まで諦めない執念は見事で、春に会った彼らより確実に逞しくなっていた。 一方、追い上げを退け2回戦進出を決めたP'z。予選リーグ1位通過の実力は本物で、これからの戦いも期待大だ。