TEAM	1	2	3	4	5	6	7	R
ARUYO東海	0	0	0	0	0	0	0	0
YOTSUBA	0	0	0	2	0	0	×	2

1月11日、午後1時15分。決戦の地・西武ドームでは、本日の第2試合にしてVictoria最高峰リーグ決勝戦「ARUYO東海 対 YOTSUBA」の1部王者を懸けた一戦が繰り広げられた。 先攻のARUYO東海は、昨年末に行われたスプリングカップでの準優勝をはじめ、ここ2年間で3度ファイナルに出場しながら何れも結果が出ていないだけに、4度目となる今日の戦いでは優勝が至上命題。 チームの指揮官である茂手木監督はゲーム前、「近年、ARUYOは力が落ちたなと思われているようなので、今日は何としても勝って存在感を示したいと思います。そのためのカギとなるのが1回。ここ数試合を振り返ると1回の攻防が勝敗を左右しているので、立ち上がりは特に集中していきたいと思います」と今大会に懸ける強い思いを語った。 また、攻守に渡ってキーマンとなる古谷は、「今日は絶対に負けられないので、先発ピッチャーとして0で抑え、攻撃面では3番を任されたのでチャンスで結果を出せるように頑張ります」と力強くコメントし、大黒柱である大鹿を欠く中で自らがチームを引っ張る覚悟を見せた。 対する後攻は、初出場にして最高峰の頂へと挑む埼玉の古豪YOTSUBA。そんな彼らの魅力は選手のみならずOB、家族といったチームに関わる全ての人達で織りなす圧倒的な一体感にある。 そのYOTSUBA野球の中心でタクトを振る寺嶋監督はゲーム前、「年末年始も休みなく活動してきたので、チームの状態は非常に良いと思います。ただ、その分家族とかには迷惑をかけてしまったので優勝して恩返ししたいですね。まあ相手は強豪なので簡単ではないと思いますが、ウチの持ち味である元気と守備からリズムを作って、流れを掴めれば勝利は見えてくると思います」と気合いの入ったコメント。 また、絶対的エースとして決戦のマウンドに上がる樋口は、「ARUYO東海さんは目標にしていた相手だったので、対戦に向けて気持ちは高ぶっています。自分の役割としては、とにかく0に抑える事だけですね」と待ちに待った戦いを前に集中力を研ぎ澄ませ、チームを悲願達成へと導くべく奮闘を誓った。 そんな両雄が相見えた頂上決戦は、最高峰リーグの戦いに相応しい緊迫の好勝負となった。ゲームは1回、互いに2アウトから古谷、政（直）の両3番打者が出塁を果たすもチャンスを広げられず無得点。続く2回はARUYO東海打線が1アウト1、2塁。YOTSUBA打線は1アウト3塁と好機を演出するが、共にチャンスを活かせず0に終わると、3回は両チーム三者凡退で攻撃を終え、序盤の攻防はまさに互角の展開で推移した。 だがそのゲームも中盤へと差し掛かった4回、遂に均衡が破られた。 表のディフェンスで樋口が4番池田、5番石井から連続三振を奪うなど、この回もARUYO東海打線を封じリズムを作り出すと、その裏エースの力投にようやく打線が奮起。 先頭の3番政（直）が初球をセンターへと弾き返す今日2本目のクリーンヒットで打線を鼓舞すると、その後6番海老井、7番阿住が何れもフルカウントまで粘っての四球で繋ぎ、2アウトながら満塁にまでチャンスを拡大させた。 すると、この試合最大のピンチを招き動揺したのかARUYO東海バッテリーにワイルドピッチのミスが生じ、YOTSUBAが待望の先制点を奪取。更には尚も続くチャンスの場面で、この日スタメンマスクを被る8番井出が、古谷の投じた渾身のストレートをレフトへと弾き返し2対0。ラッキーな形での1点に女房役である男の一打でゲームの流れを一気に引き寄せ、力投を続けるエースを大きく後押しした。 そんな仲間の強力援護に樋口のピッチングは更に加速し、5回を僅か9球で三者凡退に切って取ると、6回もチャンスすら与えず無失点。そして迎えた最終回は、2アウトから代打小川にヒットを許したものの、最後は9番清野を今日7つ目となる三振で仕留め完封シャットアウト。 3塁すら踏ませないピッチングを見せつけた樋口の好投は然ることながら、そのエースを全員で支えリードを守り抜いたYOTSUBAが、古豪の歴史に新たな称号を加えると共にVictoria史にその名を刻んだ。 ゲーム後、インタビューに答えた渡辺会長は「彼らは本当に良い選手達です。日頃からすごく努力しています。このメンバーだったら来季も期待出来るでしょうし、連覇と言わず3連覇、4連覇と頑張ってもらいたいですね」と選手達の奮闘に最高の賛辞を贈った。 一方、打線改造も実を結ぶ事なく、又してもファイナルの舞台で力を発揮出来ずに敗れたARUYO東海。準優勝の呪縛から抜け出し、再び強者としてのプライドを取り戻す日は来るのか！？全ては来季での大きな変革にかかっている。