TOP > Victoriaリーグ1部(2014年) > バックナンバー > 「YOTSUBAが劇的サヨナラ!初出場で手にしたファイナリストの座!!」
        TEAM            1        2        3        4        5        6        7        S        R    
     スタイガー         0        0        0        0        0        0        0        0        0    
     YOTSUBA         0        0        0        0        0        0        0        1×      1    
エース樋口が粘投で完封シャットアウト!執念が引き寄せたサヨナラ劇!!
11月23日。東京都江戸川区の篠崎公園A野球場では、最高峰リーグのファイナリストを決める戦い、「スタイガー × YOTSUBA」の準決勝戦が繰り広げられた。
先攻のスタイガーは、昨年のスプリング王者として更なる高みを目指した今シーズンだったが、連覇を懸け臨んだ今季のスプリングカップでは4回戦敗退。その春の雪辱をと挑んだサマーカップに関しては初戦で姿を消すなど、前半戦の戦いは不甲斐ないものとなった。
それでも満を持して初参戦を果たした最高峰リーグに全身全霊を懸け、勝ち上がって来た彼ら。ゲーム前、小西監督は「相手は名門チームなので胸を借りるつもりで戦います。カギを握るのは先発の遠藤は勿論、打つ方も4番の斎藤を中心にぼちぼち仕上がってきたのでロースコアの戦いになると思いますが何とか勝ちたいですね」と自信のコメント。
その小西監督が全幅の信頼を寄せるエース右腕の遠藤は、「今季はスプリング、サマーと自分のせいで負けてチームに迷惑をかけたので、せめてリーグだけは自分が投げて勝たなければいけないと思っています。ここまで来たので、とにかく0に抑えてチームが勝つピッチングをしたいですね」と気合いと覚悟を語り、悔しさを糧に進化した証を見せつける。

対する後攻のYOTSUBAは、今季からVictoriaリーグに初参戦し、新勢力としてその実力を存分に発揮。最高峰リーグの中でも実力者揃いとなったEブロックを無敗のまま首位通過を果たせば、決勝Tに入っても勢いそのまま今日の準決勝まで勝ち進んで来た。
そのチームの核となる副主将の高田はゲーム前、「ゲームプランとしては先に点を取って自分達のペースに持ち込みたいなと思います。キーマンとしては先発の樋口になるかと思いますが、ここ最近は日替わりでヒーローが出るなど、どこからでも点数の取れる打線になってきているので、全員の力で勝ちたいと思います」と気合い十分のコメント。
また大一番のマウンドに上がる先発左腕の樋口も、「スタイガーさんは強豪なので難しい事は考えず、守ってくれるバックを信じ、ストライク先行で打たせていきたいと思います。とにかくみんなで戦って、最後に勝っていられるように頑張ります」とコメントし、YOTSUBAナインが気持ちを一つに決戦に挑む。

そんな両雄が相見えた戦いの火蓋は、ナイター照明がグランドを照らす午後6時のプレーボールで切って落とされ、ゲームは両エースの壮絶な投げ合いを中心に展開された。
まずは1回、先にマウンドに上がった樋口は、スタイガー打線の1番山本をピッチャーゴロに打ち取ると、2番矢嶋を見逃し三振。続く3番豊永には四球を与えるも、打の要である4番斎藤をこの回2つ目の見逃し三振に切って取り、初回からエンジン全開。
対する遠藤はその裏、こちらも抜群の滑り出し。1番木田、2番高田をショートゴロ、サードゴロに仕留め簡単に2アウトを取ると、3番政(直)はインコースのストレートで詰まらせショートフライ。YOTSUBA上位打線を僅か6球で抑え、完璧な立ち上がりを見せつけた。

その両投手は、2回に樋口が死球とエラーで2アウト1、3塁。遠藤は3回に2アウトから四球、ヒット、ワイルドピッチで2、3塁のピンチを招くも、共にここぞの集中力で決定打を許さず決して先制点を与えない。更には中盤4、5回も両エースの粘りのピッチングは継続。
遠藤が4回のピンチを巧みな牽制で凌げば、樋口は5回、ショート阿住のエラーから1、2塁のピンチを背負い、迎えた1番山本に痛烈なセンター前ヒットを浴びる。だが、この場面をセンター木田のストライク返球とキャッチャー藤田の体を張ったブロックで食い止め無得点。
エースの力投を援護するだけでなく、バックのミスをバックが救うという正にチーム一丸のYOTSUBA野球を象徴するビッグプレーで最大のピンチを切り抜けた。

その後、ゲームは終盤6、7回と進むも互いに得点を奪う事が出来ず、勝負の行方はサドンデスへと委ねられた。すると迎えた延長8回、ここまで互角の勝負を演じてきた両者の戦いも遂に決着。クリンアップからという好打順を迎えるも無得点に終わったスタイガーに対し、その裏のYOTSUBAが6番阿住の初球に一か八かのスクイズエンドランを成功させサヨナラ。5回以降立て続けに招いた再三のピンチをエース樋口を中心に全員で守り抜き、最後の最後でチャンスをモノにしたYOTSUBAが劇的な勝利でファイナルの切符を勝ち取った。

ゲーム後、インタビューに答えた寺嶋主将は「西武ドームを懸けた戦いだったので、凄い緊張の中での試合でしたが守備も冷静に対処できたし、皆で勝ち取ったゲームだったと思います。決勝でも出てる9人だけでなく、ベンチにいるメンバーや先輩方達と一つになって戦いたいと思います」とコメント。 西武ドームの地で最高峰リーグのタイトル奪取を誓った。
一方、攻守共に内容としては上回っていた印象だっただけに、心底悔しい敗戦となってしまったスタイガー。力投虚しく敗戦投手となってしまった遠藤は、「どれだけ良いピッチングをしても負ければエースの責任です」と語り、悔し涙を拭った。
また、小西監督は「最後はスクイズエンドランも考えたんですが、ちょうど一番調子の良いバッターに回ってきたので、皆で打たせようと決めました。結果は思ったようにいきませんでしたが、あれだけ良いピッチャーだったので仕方ないですね」とコメントし、悔しさを滲ませながらも最後まで戦い抜いた選手達の奮闘を讃えた。
【MVPインタビュー】 #15 樋口 智彦 【主将インタビュー】 #5 寺嶋 裕一 試合動画、インタビュー動画はこちら ↑