TOP > Victoriaリーグ1部(2014年) > バックナンバー > 「シーソーゲームはサヨナラ決着!新星Tropicanaがまた一歩階段を上る!!」
        TEAM            1        2        3        4        5        6        7        R    
     ダディーズベースボール         1        0        5        0        -        -        -        6    
     Tropicana         4        0        1        2×      -        -        -        7    
土壇場の逆転劇!若武者Tropicanaが執念のサヨナラ勝利で1回戦突破!!
10月12日。日ごとに涼しさを増し、すっかりと秋めいてきた陽気とは裏腹に、東京都八王子市の陵南公園野球場では1部リーグ決勝T1回戦、「ダディーズベースボール × Tropicana」の決して負けられない熱き戦いが繰り広げられた。
そのバトルの先攻ダディーズベースボールは、昨年味わった予選敗退の悔しさを糧に進化を遂げ、今季は激戦となったAブロックで2位通過を決め、初の決勝Tへと歩みを進めてきた。そんなチームを率いる代表の佐藤(圭)はゲーム前、「今日は相手の情報が少ない中での戦いになりますが、予選リーグの勢いそのまま自分達の野球をしたいと思います。勝利のカギは先発としてマウンドに上がる自分のピッチング次第だと思うので、YouTubeに良い映像が残るように頑張ります(笑)」とコメント。次戦に相対するスタイガーへのリベンジマッチを視野に入れながら、まずは目の前の勝利へと集中力を研ぎ澄ませた。
対する後攻のTropicanaは結成僅か1年ながらVictoria最高峰リーグに初参戦を果たし、見事トップリーグの猛者達を退け勝ち上がってきた新星。その若武者達を束ねる監督の松下はゲーム前、「自分達は昨年結成したチームで歴史も伝統もないですが、若さという勢いを武器にチャレンジャーの気持ちで戦いたいと思います。戦略としてはバッテリーを中心とした守りが大事になると思うので、特に守備の要であるキャッチャー神谷を柱に守りから攻撃へとリズムを繋ぎ、Victoriaリーグに新しい歴史を刻みたいと思います」と気合い十分のコメント。更にキーマンとして期待される神谷も、「先発の松下がケガからの復帰登板ということで、とにかくリード面でしっかりとアシストしたいですね。打撃の方は、ここぞの場面で1本が打てれば御の字かなと思います」と、攻撃面でも4番を担う男が攻守での活躍を誓った。

何れにしても初の決勝Tとあって気合いの漲る両者。そんな両軍が相見える戦いの火蓋は午後5時20分のプレーボールで切って落とされ、序盤から目まぐるしい展開となった。
1回表、1、2番の佐藤コンビが三振、内野ゴロに倒れ簡単に2アウトを取られたダディーズ打線だったが、3番長谷川、4番原が左右へと打ち分ける連打でチャンスを作り出すと、5番押田がライト前に落ちるタイムリーを放ち1点を先制。初回から攻撃の核となるクリンアップが、きっちりと仕事を成し遂げる華麗な先制攻撃を披露した。
だがそんな先制パンチも束の間、直後の1回裏にTropicana打線が火を噴いた。
1番宮守、2番小田のチャンスメーカー2人でノーアウト1、2塁の場面を作ると、3番菅井の放ったファーストゴロが悪送球を誘いすかさず同点。尚もエラーの間に2、3塁へとチャンスを広げ4番神谷を迎えると、レフトへの2点タイムリーで期待に応え逆転に成功。更には6番真坂にもタイムリーが生まれ、この回一挙4得点を奪取した。

しかし、あっという間にゲームをひっくり返したTropicanaに落とし穴が待っていた。
3回表、突如制球を乱した松下が3つの四球で自ら満塁のピンチを招くと、7番荒木に押し出しとなる死球を与え1失点。更に続く8番宗像に対して投じた決め球の変化球が、ワイルドピッチになると同時に悪送球も重なる手痛い失投となり2失点。尚も悪循環は止まらず、牽制悪送球での失点に9番村上にタイムリーを浴び、この回まさかの5失点で3点のアドバンテージから2点を追いかける立場となってしまった。
だが「諦め」という2文字を微塵も感じさせないTropicanaがここからミラクルを起こす。
直後に7番茂内のヒットと盗塁によるチャンスメイクから1、3塁の好機を演出すると、ここで仕掛けたダブルスチールがダディーズ守備陣の連携を乱し1点を返す。
すると1点差に詰め寄り、押せ押せムードのまま迎えた最終回、この回先頭の2番小田が反撃ムードを加速させるレフトオーバーの3ベースヒットで出塁。チームの支柱であるキャプテンが逆転への機運を高めると、そのムードに動揺したのかダディーズバッテリーがワイルドピッチという痛恨のミスを犯し同点。これで完全に流れをモノにしたTropicana打線は再度1、3塁にまでチャンスを広げると、1回にもタイムリーを放っている6番真坂の当たりがピッチャー佐藤(圭)のグローブ下をすり抜けるタイムリー内野安打となり決着。取ったら取られを繰り返したシーソーゲームは、サヨナラという劇的な形で幕を下ろした。

ゲーム後、サヨナラ劇を呼び込む一打を放った小田は、「美人の嫁と可愛い娘のために打ちました」と満面の笑みでヒーローインタビューに応えた。また松下監督は、「ウチの売りである守備が乱れてしまった場面もありましたが、最後はチャレンジャーという気持ちが勝利を呼び込んだと思います」とゲームを振り返り、次なる戦いに向けては、「スタイガーさんには予選リーグで負けているのでリベンジしたいと思います」と力強い言葉で締めた。
一方、勝利が手の届く位置にあっただけに悔いの残る敗戦となってしまったダディーズベースボール。中でも一番無念さを噛みしめたであろう佐藤(圭)代表はゲーム後、「仲間に逆転してもらっていただけに余計悔しいし、申し訳ない気持ちです」と語り、グランドを後にした。
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