TOP > Victoriaリーグ1部(2013年) > バックナンバー > 「最終戦で見せたプライド!来季へ繋がる完封劇。」
        TEAM            1        2        3        4        5        6        7        R    
      林工業           0        0        0        3        2        0        ‐        5    
      東中野タイガース           0        0        0        0        0        0        ‐        0    
これぞ林工業!投打が噛み合った林工業がリーグ最終戦を制す!
9月1日、埼玉県さいたま市の大宮健保グランドではCブロックの戦い、林工業 対 東中野タイガースの一戦が行われた。
9月に入っても気温35℃に迫る暑さとなったこの日、その厳しいコンディションの中で繰り広げられる対決は先攻林工業。ここまでの戦いを振り返ると、1部リーグ前回王者RED SOX、昨年のスプリングカップ3位ひばりが丘ロータースの強豪を相手に接戦を演じるも1点差に泣き1勝4敗と戦績が振るわず。それでもナインの表情から闘争心は失われておらず、リーグ最終戦となる今日の一戦にこれまでの鬱憤をぶつける。そんな思いを胸に最後に意地を見せたいチームが先発に指名したのは大関。エース谷口が不在の中マウンドへと上る本格派右腕に最終戦を託す。
対する後攻は東中野タイガース。ここまでの戦い3勝1敗と初出場ながら好調な戦いぶりを見せるチームは、今日の一戦に勝てば決勝トーナメント進出が決まる。それだけにベストコンディションで臨みたい所だったが、猛暑の中でのダブルヘッター2試合目とあって選手達は満身創痍。そんな状態でも勝利を掴むべくエース舘野をマウンドに送り、長谷川代表を中心に気持ちを一つにして目の前の一戦に臨む。

それぞれの思惑、気持ちが交錯した真剣勝負は序盤、両投手が魅せる展開で進んだ。
1回表、林工業打線に相対した舘野は、僅か9球で三者凡退に抑える最高の立ち上がりを見せると、続く2回は4番中(康)、5番工藤から連続三振を奪うなど、この回も3人で片付ける。さらに3回も付け入る隙を一切見せない見事な投球術で三者凡退に抑えた舘野は、1、2、3回と一人のランナーも許さないパーフェクトピッチングを披露した。
一方の大関も負けず劣らずのピッチングで、自信を持つ力強いストレートを主体に1回を三者凡退で仕留める上々の立ち上がり。 2回は4番伊藤に初ヒットを許すも後続を抑え無失点で切り抜けると、続く3回にも背負った2アウトランナー2塁のピンチでも冷静な投球を披露し、決して先制点を与えない。

両投手の好投が光り、3回を終えて0対0。主審も「1点を争う試合になりそうだね」と我々スタッフと会話を交わす程、両者の戦いは拮抗している。だが、そんな予想とは裏腹にゲームの流れは一気に傾く。
4回表、林工業打線は1番森、2番新佐古が出塁を果たしノーアウト1、2塁とすると、3番中(英)の送りバントがキャッチャー小佐野の悪送球を誘い先制点を手にする。ラッキーな形で試合の均衡を破った打線は尚も続くチャンスに4番中(康)がレフトへの犠牲フライを放ち2点目。さらに5番工藤の左中間を真っ二つに破るタイムリースリーベースヒットで3点目を奪い、3回まで苦戦した舘野を完全に攻略する。
更に5回、リズムを掴んだ林工業打線は四球で出塁した8番山田を2塁に置き、迎えた1番森が初球を叩く豪快な一撃。その一打はライトの遥か頭上を越すランニングホームランとなり、2点を追加し5対0と突き放した。

立て続けに5失点を喫した東中野タイガース。だがこのままでは終われないと直後の5回、四球、内野安打、ダブルスチールなどで2アウトながら満塁のチャンスを作り出すと、ここまでチャンスを作り出すも活かしきれなかっただけに、漸く迎えたビックチャンスに反撃ムードが全快になる。だがしかし、目の前に立ちはだかる大関の壁は高く、途中出場で初打席となった2番関口がピッチャーゴロに倒れ、ここでもあと一歩捉えきることが出来なかった。

チャンスと見るや怒濤に畳み掛けた打線の活躍に、最後まで女房役の中(英)を信じ、粘り強く投げ抜いた大関の完封。試合後「今日は今シーズン初めて良い形が出来ました」と新佐古監督が語るように、まさに投打ががっちりと噛み合った林工業が最終戦で本領を発揮し、来季へと繋がる一勝を手にした。
【MVPインタビュー】  #11 大関 翼 【監督インタビュー】  #10 新佐古 龍人 試合動画、インタビュー動画はこちら ↑