TOP > Victoriaリーグ1部(2013年) > バックナンバー > 「土壇場の覚醒!!東京ドナルドダックが魅せた首位の底力。」
        TEAM            1        2        3        4        5        6        7        R    
      東京ドナルドダック           0        0        0        0        0        1        3        4    
      REALIZE           0        0        0        1        0        0        0        1    
終盤にドラマ!東京ドナルドダックが菊谷、村上の活躍で投手戦に終止符!
6月9日、東京都大田区の萩中公園野球場ではBブロックの戦い、
東京ドナルドダック 対 REALIZEの一戦が行われた。
先攻は東京ドナルドダック。ここまで2勝1敗で首位に立つチームだが「最近良くない戦いが続いている」と田村監督。そんなチームの士気を改めて上げていくきっかけとして今日の勝利は絶対条件。首位の座を守るだけでなく、ここから再び勢いづくためにも戦いに臨む選手達の心構えは一味違う。先発ピッチャーは根岸。大リーガーを彷彿とさせる長身を活かした角度あるボールが魅力の右腕がマウンドへと上がる。
対する後攻はREALIZE。初戦を悔しい1点差ゲームで落としているだけに今日の戦いに懸ける思いは強く、代表の片岡を筆頭に集中力を高める選手達の眼光は力強く、鋭い。チームが先発投手に送り込んだのはエース宮里。ストレートを柱に多彩な変化球を擁する本格派右腕が勝利へのマウンドへと上がる。
ここまで拮抗したゲームが繰り広げられているBブロックの戦い故に両者の一戦も手に汗握る緊迫したゲーム展開が予想される。 そんな我々スタッフの期待を知ってか、両陣営共に洗練されたプレーを見せつける白熱の好ゲームとなった。

いよいよ始まったゲームは序盤、まずは両投手が魅せた。
先にマウンドに上がった宮里は初回、先頭の磯田から幸先良く三振を奪うとこの回を三者凡退。続く2回には四球で歩かせてしまった5番井上を素早い反転からの牽制でタッチアウト。ピッチャーとしての高い能力を見せつけると、3回のピッチングも危なげない内容で三者凡退に抑え最高の立ち上がりを披露する。
対する根岸はというと1回、1番の鈴木にヒットを許し2番松沢の送りバントで得点圏にランナーを背負うも、バックの好守備に助けられ無失点。2、3回は持ち味である角度、緩急をつけた本来のピッチングで抑え、こちらも上々の立ち上がりを見せた。

ゲームは4回、1アウトランナー3塁とこの試合初のピンチを迎えたREALIZE。
この場面でキャッチャー沢田が大きなリードで飛び出した3塁ランナー磯田をレーザービームで刺すビッグプレー。最大のピンチから一転ゲームの流れを一気に引き寄せると、その裏、仲間の好プレーに3番片岡が応える。2アウトランナー無しで迎えた打席、その2球目だった。真ん中高めに入ってきたストレートを振り抜いた打球は大きな放物線を描く左中間へのホームラン。 チームを牽引するリーダーの一打が試合の均衡を破ると同時にベンチのムードを最高潮にまで高めた。
この先制点に後押しされ勢いづいたエース宮里は、続く5回も5番井上、6番木崎を連続三振に打ち取る完璧な内容で抑え込む。だがしかし、そんな宮里にも疲れが見え始めた6回、この回も簡単に2アウトとするも迎えた9番菊谷という場面。1ボールからの2球目、ストライクを取りにいったその球はこれまでにない球威を欠いたストレート。それを逃さず渾身のフルスイングで捉えた菊谷の打球は右中間フェンスを越す起死回生の同点ホームラン。たった一球でゲームの流れは一変した。
この一発で完全に目覚めた東京ドナルドダック打線は続く7回、2本のヒットと四球で満塁のチャンスを作ると、打席には7番村上。 「前のバッターが敬遠されたので、絶対にいけるという強い気持ちで打ちました」と、宮里のストレートに詰まりながらも気合いで運んだ一打はライト前に落ちる逆転タイムリー。 燃える男のヒットでゲームをひっくり返すと、尚も続くチャンスに9番菊谷が期待に応える2点タイムリーを放ち勝負あり。

試合を観戦していた地元のおじさん達も絶賛の好ゲームは、土壇場で集中力を発揮した東京ドナルドダックが逆転で制し、首位の座を守った。
一方、ゲーム終盤に力尽き、リーグ戦2連敗となってしまったREALIZE。だが、真価が問われるのはここから。「崖っぷちから這い上がる」と片岡代表が語ったように、何としても決勝トーナメントを目指し、残り5試合を戦い抜いてもらいたい。
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